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『ミノタウロス』読書日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-11-09『小説のストラテジー』文庫化、『小説のタクティクス』刊行予定

佐藤亜紀『小説のストラテジー』(ちくま文庫、電子書籍)2012年11月7日発売&明治大学商学部特別講義をまとめた『小説のタクティクス』来年早くの刊行予定

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『小説のストラテジー』の文庫化・佐藤亜紀作品初の電子書籍化

2006年に青土社から刊行された単行本『小説のストラテジー』が、2012年11月、筑摩書房によって待望の文庫化、電子書籍版も刊行されました。

小説のストラテジー/佐藤亜紀【2500円以上送料無料】

  • カバーデザイン…柳川貴代
  • カバー作品…「神々と巨人達の闘い」(シフノス人の宝庫、北壁フリーズのレリーフ)
  • 写真提供…Erich Lessing/PPS通信社

早稲田大学での講義に基づく小説論。創作と受容について、読む/書く現場から考察。

あらゆる表現は鑑賞者に対する挑戦です。鑑賞者はその挑戦に応えなければならない。「伝える」「伝わる」というような生温い関係は、ある程度以上の作品には成立しません。見倒してやる、読み倒してやる、聴き倒してやるという気迫がなければ押し潰されてしまいかねない作品が、現に存在します。

『小説のストラテジー』「1 快楽の装置 創作と享受における一般的な前提」より

小説論第二弾『小説のタクティクス』も来年早い段階に筑摩書房から刊行予定!

『小説のタクティクス』は、明治大学商学部特別講義「文学と表現」を佐藤亜紀さん自らがノートに基づいてまとめ直したものとのことです(佐藤亜紀さんにGoogle+で伺うことが出来ました)。

下記オンライン書店・ネットストアでも販売中です。

2012-11-01佐藤亜紀『戦争の法』感想

佐藤亜紀『戦争の法』感想 普遍性を持った傑作長編

| 18:52 | 佐藤亜紀『戦争の法』感想 普遍性を持った傑作長編 - 『ミノタウロス』読書日記 を含むブックマーク はてなブックマーク - 佐藤亜紀『戦争の法』感想 普遍性を持った傑作長編 - 『ミノタウロス』読書日記

佐藤亜紀『戦争の法』(1992年新潮社から刊行、その後ブッキング、現在は文春文庫)を文春文庫版で再々読。

N***県(新潟県)が1975年に日本から分離独立し、ソ連軍占領下に置かれ、S***市住民の少年(主人公)が山に入ってゲリラとなって戦争を体験した、というのを主人公が回想録形式で語る。その語りはあくまで回想であり、嘘、誇張などが混じっていると考えて読まねばならない(作中でもそう注意が促される)。過去の諸作品の露骨なパロディーに誘われにやりと笑わされ、新潟という地の土地柄や空気、作中で言及されるベトコンや第一次世界大戦のみならずアフガニスタン紛争や北越戦争を思い起こさせられ、時空を超えた「戦争」と「兵士」の記憶、「中央」と「辺境」と住民との関係など、普遍性を持った傑作長編といえるだろう。主人公に著者がさせる行為はどこか若々しく、作中のオペラへの言及などから五感が刺激される。

あと、雪や冬の山の天候描写が、雪国育ちじゃない私には珍しく、とても美しく感じられた。

戦争の法 (文春文庫)