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『ミノタウロス』読書日記 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-09-16佐藤亜紀『金の仔牛』とオペラ

佐藤亜紀『金の仔牛』とグノーのオペラ「ファウスト」、その第二幕で歌われる「金の仔牛の歌」

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出エジプト記

金の仔牛

『金の仔牛』タイトルには副題的に Veau d'Or と書かれている。フランス語で「金の仔牛」(金の子牛)の意味である。「金の仔牛」は旧約聖書「出エジプト記」32章に登場する。

グノーのオペラ「ファウスト」

「金の仔牛の像」は偶像崇拝、物質主義、拝金主義などのメタファーであるとされる。

佐藤亜紀の『金の仔牛』はこれら出エジプト記等が踏まえてあるだけでなく、グノー作曲、ゲーテの『ファウスト』を題材にしているオペラ「ファウスト」にも着想を得、また、踏まえてあるとも思われる。

では佐藤亜紀『金の仔牛』において、悪魔メフィストフェレスは誰なのか?カトルメール?有象無象の登場人物たちすべて?「バブル時代」の熱に浮かされたような雰囲気?

バブルと経済成長の間には厳密な線引きなどなく、人が額に汗して幾ら働いたところで必ずしも経済は伸びないどころか、そもそも景気が悪ければ働こうにも仕事自体がない。一方、金が盛んに動き回れば、格別の勤労なしでも、勝手に好況はやって来る。そこには何か悪魔的なものがあると、人々は感じたし、今も感じ続けている。これを克服するには、所謂言語論的転回に匹敵する大どんでんが必要だろう。

講談社『BOOK倶楽部メール』2012年9月15日号掲載「著者メッセージ」から

雑誌連載中の『金の仔牛』に書かれた優れた論考

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佐藤亜紀の長編小説『金の仔牛』は2012年、雑誌「小説現代」に連載されました。

この雑誌連載中にd:id:Portunusさんがお書きになった論考は、本作が踏まえていると思われる「ファウスト」や「マノン・レスコー」、また、18世紀初頭フランスにおける「バブル」の元凶「ローのシステム」の解説など、この小説を読むのに必須の知識を得ることもできる、示唆に富んだ非常に優れたものになっています。

『金の仔牛』はこのたびの単行本化にあたり加筆や章分けの変更などがなされていますが、内容自体には連載時と大きな変更はない、と思われます。単行本版『金の仔牛』の読解のためにもぜひご一読ください。

佐藤亜紀『金の仔牛』とマルカントワーヌ・シャルパンティエのオペラ「アクテオン」

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金の仔牛

佐藤亜紀『金の仔牛』(講談社)p.53〜、アルノーとニコルがカトルメールに連れて行ってもらったオペラは、マルカントワーヌ・シャルパンティエ作曲のバロック・オペラ、牧歌劇「アクテオン」なのではないかと私は思っています。

舞台の上では月の女神の狩姿に一目惚れした猟師が絶望の歌を歌っている。

(p.53)

舞台の上では、猟師は鹿に姿を変えられる。勿論、犬どもに食い殺されるためだ。

(p.54)

「アクテシオン」はまさにこういう筋なのです。ルイ14世*1の時代の1684年に初演。

「アクテオン」あらすじ

音を聴く

当時の音楽の雰囲気だけでもぜひどうぞ。この映像のCDは

Charpentier: Acteon Charpentier: Acteon

スコア、マルカントワーヌ・シャルパンティエについてなど

「小説現代」連載中に調べてブックマークはしていたのですが、単行本化にあたり関連情報をまとめてブログにも書いておきました。

*1:ルイ14世といえば、『金の仔牛』はいきなりこの王の1715年の死から始まります。

2012-09-11佐藤亜紀の新作長編小説『金の仔牛』単行本、9月13日に講談社から発売

佐藤亜紀の新作長編小説『金の仔牛』単行本、9月13日に講談社から発売されます。

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2012年9月15日、「著者メッセージ」が掲載されたメールマガジンのリンクを追加、ほか、発売されたにあたり情報を追加・更新しました。

※かねてからトップページやツイートでお知らせしていましたが、改めて情報を整理しました。

佐藤亜紀の新作長編小説『金の仔牛』の単行本が9月13日に講談社から発売されます。

Q:どうしてバブルは必ず潰れてしまうのですか。

A:潰れたものだけをバブルと言うからです。潰れなければただの経済成長です。

  不快なくらいに正確で、同時に曰く言い難いくらい如何わしい話だ。

著者メッセージから抜粋

18世紀初頭のパリを舞台にした新作長編小説。
ミシシッピ会社で過熱していく相場、追い剥ぎの青年が「バブル」で一儲けして……。

下記オンライン書店・ネットストアでも販売中です。

『金の仔牛』掲載雑誌

2012年、「小説現代」に連載されました。単行本化にあたって加筆等されています。

雑誌連載中の感想や関連情報のリンク

参考 オペラ「ファウスト」より、「金の仔牛の歌(金の子牛の歌)」(グノー作曲) Le veau d'or